« つかの間の楽しい時間 | メイン | いきなり漂流 »

フランスの病院

とうとうきにょんが入院する日になった。きにょんのことも心配だし、まだまだボートのことを知らないみにょんのことも不安。それでも朝のうちにエンジン修理に必要な部品など買いにいっておく。チェックインする時間が近づくにつれ無口になっていくみにょ・きにょ。

日本やアメリカみたいに、入院するには山盛りの書類にサインしないといけないのかと思ったら、すごく簡単だった。病室にいってみるとベッドが2つあって、ルームメートがいてるのがわかった。だけど、彼はフランス語のみで英語は本当に少しだけ。いつもはフレンドリーで誰とでも話するきにょんなんだけれど、さすがに言葉のバリアーはちょっと厳しいな。

手術前の準備をするって聞いてたので、いつになったらナースがきてくれるのか待つこと1時間ほど。誰も来ない。みにょがナースステーションに様子みにいって、それからしばらくしたらナースがきてくれて、「今晩シャワーあびて、この消毒液でしっかり体中あらってね。それと明日の朝ももっぺん同じように体あらってね」とにこやかに説明して消えていった。

あれ?それだけ?って拍子抜けのみにょ・きにょ。でもよくよく確認しにいってみたら、寝巻きもない、タオルもない、歯ブラシなどもない、ぜ~んぶ持参しないといけないってのがわかった。しかも院内にはギフトショップやカフェもないし、ましてコンビニのような便利ストアもない。大慌てでとりあえず歯ブラシだけは教えてもらった近くのミニマートまで買いにいったんだけれど、どうして先日手術を決めた時に入院手続きを確認しなかったのかって後悔。

何もかも、こちらから聞いていかないとわからない。ナースやドクターの名前もわからない。ドクターもナースもみんな同じ服をきてるから、誰が本当のドクターもわからない。話してる内容はフランス語でわからない。もってくる書類はフランス語で読めない。もうまったくもってわからんことだらけ。

さらに、面会時間は厳しく守られてるみたいで、昼は12時から1時半まで、夜は4時から7時まで。夜なんてちょっと長居してると警備員が「もう面会おわりやでぇ」ってやってくる。ただでさえきにょんの手術でお互い不安なのに、「やっぱりアメリカ戻った方がよかった?」って思えてきた。

不安のまま病院を出たら、外は真っ暗。はっと気がつくと、いつもきにょんが運転してたので、船のあるオイスターポンドまでの帰り道がわからない。うろ覚えの道を運転してたら案の定道に迷っちゃった。でも小さい島のいいところは、いずれどっかの大きな道に出ることなのよね。しばらくうろついてたら見覚えのある大きな食料品店が見えてきたんで、そこからは何とか無事にオイスターポンドに到着できた。

ほっとしたのもつかの間、今度はディンギーを動かして船まで戻らないといけない。週末のうちに2回ほど練習したけれど、その時はきにょんがいてディンギーを船につないだりする作業を手伝ってくれたのだけれど、今夜はみにょ一人で全部やらなきゃいけない。ちゃんとできるか不安でドキドキ。

なんとかスタートはできたけれど、岸から離れる際にあちこちぶつかっちゃった。そしてやっとこさ家にたどり着いたものの、エンジンをうまく切れなくって、もたもたしてるとあっという間に海流におされてご近所さんのボートにはさまれそうになっちゃった。なんとか振り切って再挑戦。

やっとこさ家にたどりついた後はディンギーを船の後ろに吊り上げないといけない。ディナーも食べてないし、気づかれでヘロヘロのみにょん、なんとかディンギーを水からあげることができて、もうその後は食事をする気力もなくなってたわ。日本から持って帰ってきたインスタントの卵スープを作って食べたら、一人でいるのがすご~くさびしくなってしまった。しかも、きにょからのメッセージがきてるかもってメールチェックしようとしたら今朝はうまく使えてたWiFiが使えない。きにょが設定してたのを思い出してやってみたけれど、ダメ。みにょ一人じゃ何もできないなぁって落ち込んでしまった。明日、お昼からいった方がいいのかな。それとも回復室から出てくるだろう4時ごろからいこうかな。どうしよう。何もかもうまくいかなくって、なけてきた。

コメントを投稿